半月板
注意)このページの内容は、万々クリニック院長が、スポーツ現場や長年の診療で培った私見も記載されております(一般的に周知されている内容と異なる部分もあります)。
【問題は、ゴリゴリ、カクッ、プヨッ】
半月は円周状(フープ)で、クッションと安定性を確保する役割をはたしています。
傷ができる(損傷)ことによる問題は、ひっかかりを感じたり、水(関節液)がたまったり、急に膝が動かなくなる“ロッキング”という状態がおこることです。膝が抜ける(くずれる)こともあります。
一方、痛みは比較的コントロール可能です。
半月板の傷は元には戻りませんが、傷ついていても全く症状がない方もいます。
【半月板は動いています】
半月板は膝の屈伸や捻りの動きのたびに、移動(スライド)や変形をする部分で、特に外側半月は大きく動きます。
ですので、断片(フラグメント)があると、動くときに傷口(ギャップ)が広がり問題を起こしやすくなります。
【原因】
スポーツなどの怪我がきっかけの場合と、加齢やスポーツの負担により傷つきやすくなっている半月に小さな外力が加わって損傷する場合とがあります。
前者では、体重が加わった状態でのひねりや衝撃によって半月だけが損傷するものと、前十字靱帯損傷などに合併して起こるものとがあります。
後者では、半月は年齢とともに摩耗したり、半月に負担のかかるスポーツの継続でも摩耗しますので、このような方ではちょっとした怪我でも半月損傷が起こりやすくなります。
【診察・診断・治療】
半月板の診療は非常に奥が深く極めて専門的です。現代医学でもまだ未知のこともあります。教科書通りではないことも多く経験します。
患者さんも、半月板についての理解は概要だけにとどめ、「全て理解しょう」とお考えにならないことをお勧めします。中途半端な知識や、多すぎる情報は良い治療結果につながらない危険性があります。
半月板のトラブルは命を脅かすものでもなく、緊急性も低いことがほとんどです。だからこそ、患者さんが「この医師なら」と感じる先生と、二人三脚で診療をすすめてください(旨が合うかどうかですね)。
【アスリートの半月】
難しく医師も悩みます。
一般の患者さんに対しては、「半月板をどう治すか?」がポイントなのに対し、アスリートは、「スポーツをする選手の問題点をどう解決するか?」が大切になります。
その選手の背景(チーム事情や将来のスポーツ設計など)も知る必要があり、かなりの時間をかけての話し合いや診察が必要になってきます。
痛みが、半月板の良し悪しやスポーツの勝敗とは関係しないこともあり、アスリートの半月の診療は、困難を極めます。半月板を日々診療・手術している専門医の介入は不可欠です。
安易な診断や治療方針の決定は、その後の選手の人生に悪影響を及ぼす場合があります。
【前十字靭帯との関係】
前十字靭帯と半月板は線維がつながっており、運命共同体と言えます。 前十字靭帯を傷つけた際は、同時に半月板損傷(外側が多い)を起こすことが多くあります。
また、前十字靭帯が正常な状態でない期間が続くと、半月板は傷ついていきます(内側半月板縦断裂)。
診察時間のご案内
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